潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎とは?
腸管内で発生する炎症により、正常な腸の機能が損なわれる疾患を総称して「炎症性腸疾患(IBD)」と言います。このうちの1つである潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に生じた炎症から、腸壁に潰瘍(深い傷)が形成された状態を指します。炎症が発生する範囲と程度には個人差があり、大腸全体に広がる強い炎症がある場合から、直腸の軽度な炎症が見られる場合までさまざまです。
一度発症すると完治が難しいのが特徴で、長期間にわたる治療が必要になることも多いです。難病指定されている疾患の1つですが、きちんと治療を行うことで通常通りの生活を送ることは十分に可能です。
クローン病との違い
代表的な炎症性腸疾患として、潰瘍性大腸炎と並んで挙げられるものに「クローン病」があります。どちらも症状は似ていますが、炎症の起こる範囲に違いがあります。
- 潰瘍性大腸炎:大腸のみ(※)
※炎症の範囲によって、直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型の3つに大別されます - クローン病:口から肛門までの消化管全体
- 下痢
- 血便
- 腹痛
- 発熱
- 倦怠感
- 貧血
- 体重減少 など
潰瘍性大腸炎の主な症状
以下の症状が激しくなる時期(活動期)と、比較的落ち着く(寛解期)を繰り返すのが特徴です。
潰瘍性大腸炎の原因
潰瘍性大腸炎の原因は詳しく分かっておらず、厚生労働省が指定する難病です。原因の1つに免疫機構の異常が挙げられており、免疫細胞が腸の組織を攻撃することによって炎症が起こるとされています。
小児から高齢者まで幅広く発症する可能性がありますが、特に20代で発症する方が多い傾向にあります。
潰瘍性大腸炎の検査
潰瘍性大腸炎が疑われる症状がある場合は、問診・検査によって総合的な診断を行う必要があります。細菌性腸炎や薬剤性腸炎などの似ている疾患もあるため、血液検査や便検査、大腸カメラ検査(内視鏡検査)などを行い、他の疾患の可能性を否定します。
30.4.1. 院長は潰瘍性大腸炎を専門としています
当クリニックの院長はIBDの診療に精通しており、中でも潰瘍性大腸炎を専門としています。的確な診断から治療、日常のサポートまで一貫して行える体制を整えておりますので、疑わしい症状がある場合はぜひ一度当クリニックへご相談ください。
潰瘍性大腸炎の治療
潰瘍性大腸炎に対する根治的な治療法は未だ確立されていません。活動期と寛解期を繰り返すため、治療においては症状を抑えて悪化・再発を防止するのが目的となります。
生活環境の改善や、薬物療法(大腸の炎症を抑える薬、免疫を調整する薬、栄養剤など)によって、寛解期をなるべく長く維持できるようにします。なお増悪時や腸の変形が起きている場合には、入院や外科的な手術が必要となることもあります。
悲観的にならずに治療を続けましょう
潰瘍性大腸炎は適切な治療によって症状の改善が見込めますが、治療を中断すると症状が再発することがあります。症状の程度や治療薬の効果も個人差があるため、長期的な治療が必要となる方もおられます。
当クリニックでは潰瘍性大腸炎を専門とする院長が、治療と日常生活のサポートを行います。「どうせ治らないから」と悲観的にならず、長期的な視点でゆっくりと病気と向き合っていきましょう。