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胃粘膜下腫瘍

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胃粘膜下腫瘍とは?

胃や腸の粘膜は、粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜下層、漿膜の5層構造になっています。胃粘膜下腫瘍は文字通り「胃粘膜の下(粘膜下層・粘膜筋板・筋層)に生じた腫瘍」のことで、粘膜に生じる病変(上皮性腫瘍)であるポリープやがんとは区別されます。

粘膜下腫瘍には良性のものと悪性のものがあり、前者では特段の治療が必要ない場合もあります。また稀にではありますが粘膜下にがん細胞が生じることもあります。

胃粘膜下腫瘍とは?

胃粘膜下腫瘍の種類と原因

胃粘膜下腫瘍は遺伝子の変異によって生じるとされています。しかし遺伝子の変異が生じるメカニズムまでは明らかになっていません。胃粘膜下腫瘍には良性と悪性があり主に以下の種類があります。

良性の胃粘膜下腫瘍

脂肪腫、筋腫、迷入膵、リンパ管腫瘍、神経鞘腫など

悪性の胃粘膜下腫瘍

胃消化管間質腫瘍(Gastrointestinal stromal tumor: GIST)、悪性リンパ腫、肉腫など

胃粘膜下腫瘍の主な症状

粘膜下腫瘍が生じても無症状であることがほとんどで、バリウム検査や内視鏡検査時に偶然見つかるケースも多いです。しかし腫瘍が大きくなる、あるいは潰瘍が生じることで以下の症状を自覚することがあります。

  • 胃もたれ
  • つかえ感
  • 腹痛
  • 吐血
  • 黒い便が出る(下血) など

胃粘膜下腫瘍の検査

検査時に偶然見つかることが多いため、発見した際にはその部位や大きさ、表面構造などを観察します。

本体が粘膜下にあるという性質上、組織採取(生検)が困難なことがあります。そのため粘膜下腫瘍の正確な診断のためには、超音波内視鏡や造影CTを行うこともあります(※)。

※他院へのご紹介となります

粘膜下腫瘍の治療

良性の腫瘍で小さなものであれば、早急の治療は行わずに定期的な胃カメラ検査で経過を観察します。症状があるものや増大傾向にある粘膜下腫瘍の場合は、手術(切除)を検討します。

 

胃カメラ検査

腫瘍の大きさと治療方針

2cm未満

悪性の所見がなければ定期的(年1~2回程度)の胃カメラ検査で経過観察を行います。

2~5cm

超音波内視鏡や造影CTを行い、悪性の所見があれば手術を検討します。腫瘍の性状によっては、悪性所見がなくても手術を行うこともあります。

5.1㎝以上

悪性腫瘍(特にGIST)の可能性があるため、手術を行います。

※他院へのご紹介となります